狭間

狭間について

山崎屋台の狭間は、拝殿練りの為、縦尺を短くし、横尺を長くした特徴のある造りとなっております。
拝殿練りに拘る山崎練り子集は、縦1に対して横5に拘りました。
その要望に答えて、限られたサイズの中で、躍動感溢れる彫りを彫りきって頂いたのが木下彫刻店です。

[製作者]岸和田 (有)木下彫刻工芸 木下賢治

高砂(挟間の位置 前)

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「高砂」季節・初春2月。場所・播州高砂の浦 住吉。老夫婦 慰(翁)住吉の松の精、熊手。姥 当地(高砂)の者・松の精、杉箒。木陰を掃き清める。最前面・背面・最背面の三層になっています。機会があればジックリとご覧下さい。

高砂の松と住吉の松とを相生の松という。天下泰平・国土安穏・寿福延年を祝う。常に変わらぬ緑の色、千年の齢を保つという松を象徴した。

屋台の「狭間」は英賀神社の境内を模したものです。
英賀の里を拓き治めに現れた、伊和大神(大国主神)のみこ、英賀彦・英賀姫のニ柱の大神様を慰と姥に見立て、修理固成とあるように、開拓創始し 英賀国を修り固め成して、この里をリフォームしながら より良い里に成るよう願って、庶民安堵の楽土を建設せられた。

又、綺麗な湧き清水でも 淵の淀む所は汚れているので、姥は掃き清めている姿で「善」ばかりでも良くなく、「悪」ばかりでも良くないので、慰が善悪(陰陽)相まって、この里をより良い「邦」に成るよう願って、引き寄せている姿である。

羽衣(挟間の位置 左)

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「羽衣」季節 3月、天女。場所・三保松原。白龍(漁夫)天人の舞を見せてもらう条件で羽衣を返す。「民話」では 天女は漁夫と結婚するとか、或いは永く「人間」として地上の生活をおくる事になっている。

<羽衣> 白龍という漁師が漁の帰り、三保の松原の松に美しい衣がかかっているのを見つけて、その衣を持ち帰ろうとします。そこへ天人が現れて「それは私の衣だから返して下さい」と言います。白龍は「そんな珍しい物は末代まで国の宝にするから返さない」と言います。天人は「それが無いと天に帰れない・・・」と嘆きます。その姿に心をうたれた白龍は、天人の舞樂を見せてもらうのを条件に衣を返します。天人は喜び衣をまとい舞樂を奏しつつ、遥か彼方の空へと消えて行きます。

鞍馬天狗(挟間の位置 右)

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「鞍馬天狗」季節 3月、男。場所・鞍馬山。鞍馬の山寺 春の花見に大天狗は一山伏の姿で踏み込む。皆 崩散の後一人残った牛若の技量と胆力を試した後、自分はこの山に住む大天狗と名乗り、各地の天狗を従え 兵法の奥義を伝えて なお将来をも守護する事を約束して飛び去る。

<鞍馬天狗>鞍馬山東谷のお坊さんが西谷の桜見物に、稚児達を連れて出かけます。花見の席に一人の山伏が乱入、僧は稚児達を連れて帰ってしまう。しかし一人の稚児が残ります。紗那王こと後の義経(牛若丸)です。彼は山伏を怖がるどころか好意を示し、身の上の不遇を語ります。その胆力と技量に感心した山伏は、自分が鞍馬の大天狗である事を明かして、翌日の再会を約束して山へ飛び去ります。翌日、紗那王が待っていると、大天狗が各地の天狗を引き連れてやってきて、紗那王に兵法の奥義を伝え、今後も守護する事を約束し、又山へ飛び去ります。

紅葉狩り(挟間の位置 後)

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「紅葉狩り」季節 秋9月、鬼物。場所 戸隠山。 平維茂・女(鬼)

鹿狩りに来た維茂 女生(鬼)達の紅葉狩りに出くわす。誘い込まれ 酔い臥すも神のお告げにて、化身した鬼を退治する。外面如菩薩・内心如夜叉。

 

 
[引用・参考文献] 『大坂畳店HP』(2007)